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高知工科大学との共同研究に参加

2026.8.24

高知工科大学との共同研究に参加

脳活動・視線計測を通じたシニアアスリートの競技力と認知メカニズムの解明へ

MATAGI SNIPERSは、高知工科大学 総合研究所 脳コミュニケーション研究センターのジョン・インヒョク助教(学術博士)を中心とする研究チームとの共同研究・実験プロジェクトに参加いたしました。
本研究は、東京大学 中澤研究室、慶應義塾大学 牛場研究室、高知工科大学 竹田研究室等による共同研究プロジェクトとして実施されています。
なお、本共同研究で得られた知見および研究成果については、2026年8月22日(土)に東京大学 駒場キャンパスにて開催された学術イベント「スポーツ×ニューロサイエンスコロキウム」(主催:東京大学スポーツ先端科学研究拠点 UTSSI)のオーガナイズトークにて、ジョン助教より発表されました。
発表の様子

1. 実施の背景と目的

これまでのeスポーツに関する科学研究の多くは若年層を中心に行われており、高齢者eスポーツアスリートが持つ高い競技力や認知機能、脳活動メカニズムの特徴については未解明な点が多く残されていました。
そこで本プロジェクトでは、シニアeスポーツアスリートの視線制御能力や大脳皮質活動の特徴を科学的に分析・解明し、シニア世代に適したトレーニング手法の確立やシルバーeスポーツの普及発展、ひいては健康科学・医療分野への貢献を目指して開始されました。

2. 実験・取り組みの内容

ジョン助教が秋田県に滞在し、MATAGI SNIPERSの選手(5名)を対象に以下の計測およびトレーニング実験を実施しました。
写真上段左から: ひろBoo、NAGI、mark25、下段左から: 馬場目の岩魚、高知工科大学ジョン助教、CaitSith

脳活動・視線制御の精緻な計測(パート1:実施済み)
専用の32ch脳波計(R-Net, Brain Products)や視線測定装置(アイトラッカー)を用い、安静時脳波測定をはじめ、認知課題(Stroop課題、SART課題、2-back課題)や実際のゲームプレイ(『VALORANT』等)時における大脳皮質活動と視線の動き(周辺視や固視時間など)を精緻に計測・分析しました。

最先端トレーニングの検証(パート2:今後実施予定)
計測データおよび相関分析の結果に基づき、脳波(アルファ波・シータ波等)や視線の動きをリアルタイムでフィードバックするトレーニングシステムの導入を予定しています。今後は同システムを活用したトレーニングを実施し、反応時間の短縮や競技力向上の可能性を総合的に検証してまいります。

3. 研究から得られた主な知見(成果)

MATAGI SNIPERSの選手(5名)と若年層(大学生プレイヤー)のデータを比較検証した結果、以下の知見が得られました。

高次の認知処理・戦略による高い競技力:シニア選手は、刺激提示後の初期的な視覚反応(ERP振幅)は若年層に比べて穏やか(弱め)であるものの、実際のゲーム内では高い競技パフォーマンス(Kill/Death/AssistなどのKDAスコア)を発揮していることが判明しました。

直感に頼らないプレイの仕組み:シニア選手は単なる直感的な視覚反応速度に依存するのではなく、より高次レベルでの認知処理や判断力・戦略を活用して高い競技力を維持・発揮している可能性が示されました。

4. 今後の展望

本共同研究で得られた知見をもとに、以下の展開を目指して取り組みを継続してまいります。

①年齢や個人特性に応じた科学的トレーニング開発
年齢や競技レベルに合わせたトレーニングプログラムを構築し、反応時間の短縮やKDAスコアの向上を目指します。

②シニアアスリートの競技寿命の延長と限界突破
生体データに基づいたアプローチによりコンディション調整やパフォーマンス向上を支え、競技寿命の延長を後押しします。

③シルバーeスポーツの発展と健康科学への貢献
eスポーツを通じた認知機能維持・活性化の検証を進め、医療や健康科学分野への応用を視野に入れた社会貢献を目指します。

5. 研究者・チーム概要

高知工科大学 総合研究所 脳コミュニケーション研究センター
研究代表者:ジョン・インヒョク(Inhyeok JEONG, Ph.D.)助教
兼任:東京大学スポーツ先端科学連携研究機構(UTSSI)特任研究員、国立スポーツ科学センター(HPSC/JISS)協力研究員
主な研究領域:神経科学、行動科学、認知科学、Human-Computer Interaction(HCI)関連のeスポーツ研究(脳波・視線計測・バイオフィードバック等)

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